ジスさんのエロゲ語り〜第30回:フラテルニテ

エロゲの話

どうも、ジスさんです。

ジスさんエロゲ語りコーナーのお時間です。

なんと今回で第30回という。

このコーナーは総エロゲプレイ本数約450本のエロゲライトユーザージスさんが、当時を懐かしみながら好き勝手エロゲを紹介していこうというコーナーである。

フラテルニテ

第30回に選んだ作品は“フラテルニテ”

記念すべき第30回なので好きなゲームを紹介。節目の回に個人的良ゲーをぶちこんでいくスタイル。

テーマは『救いなんて、ない

上に貼った画像がホームページでいきなり公開された時はとんでもねぇ作品がくるぞと話題になったよねぇ。まぁ実際とんでもねぇ作品だったんだけど比較的最近の作品では個人的には大好物。

俺がもっとも好きな作品である夢幻廻廊と同じでゲームクリア後の終わってから、今後の人生や生き方について深く考えさせられるという点で、いい意味でモヤモヤするゲーム。

では今作品についてちょっと書いていこう。

基本情報

CLOCK UPより2014年に発売

絵:はましま薫夫

シナリオ:阿久津亮 和泉万夜 新堂劾 他

OP:仰げば尊し

あらすじ

レイプ事件の被害者となり、心に深い傷を負い塞ぎ込んでいた白坂美桜は、ネット上での友だち、小野田友佳とネットでの交流をきっかけに徐々に生きる気力を取り戻した。

そしてさらなる「救い」を求めて友佳の住む街に白坂一家は移住することを計画する。

一家は美桜の回復を喜んで全面的に協力し、主人公である白坂大智は新たな生活をスタートした。

引っ越し初日。街で大智は美少女、上村愛と出会う。一目惚れである。

そんな恋路に胸を高まらせつつ、希望に満ちたはずの新生活は、友佳の勧誘により美桜が怪しげな学外団体である「友愛クラブ」に通い始めたことで徐々に歪んでいく。

友愛クラブに通いつづける美桜を阻止しようとする大智は友愛クラブを視察にいく。

そこでとんでもないものを目撃する。

そして新たな悲劇を生んでいく。

主要人物

白坂 大智

本作の主人公。白坂家の長男。

友愛クラブに通う姉の美桜を心配し離脱させようと奔走するがどんどん周囲の人が巻き込まれていくことになり次第に精神を病んでいく。

白坂 美桜

白坂家の長女で大智と芽生の姉。

以前住んでいた街でレイプ事件に巻き込まれた。事件後ずっと心を閉ざしていたがインターネットを介して仲良くなった小野田友佳のおかげで徐々に元気を取り戻す。

白坂 芽生

白坂家の次女で、大智と美桜の妹。

まだ幼いため美桜が巻き込まれたレイプ事件については詳細を知らない。

神村 愛

大智のクラスメイト。

白坂家の引っ越し初日に、スーパーマーケットに買い物に来た大智の前に現れ言葉を交わした。

友愛クラブに出入りしているが、まだ馴染めていない様子。

星野 円夏


バトミントン部に所属する快活な少女で、愛の親友。

友愛クラブに出入りしている愛を助けようと試みる。

菱木 紗英子

大智と美桜らが通う学園の生徒会長を務める優等生の少女。

優等生ゆえ内心では周囲の人間を見下している。

戸田 心音

同級生からいじめの被害を受けている。

いじめられているにも関わらず、いじめられている自分を悲劇のヒロインのように感じており、その態度が表に出る。

小野田 友佳

美桜を友愛クラブに誘った人物。

友佳も美桜と同じような事件に過去巻き込まれていることから、救われてほしいと善意で友愛クラブに入会を勧める。

彼女にとって友愛クラブはまさに救い。

小西 千喜

自分の容量の悪さも自覚しており、容姿をからかわれることにも慣れているため広い心で受け入れている心優しい女の子。

しかし、一度は人並みの女性として扱われたいと夢見ている。

桧垣 瑛

生徒会副会長も務める優等生で女生徒に人気。

転校してきた大智に友好的に接してくれる優しいやつで紗英子とは幼馴染。個人的に一番好きなキャラです。

園田 和男

友愛クラブの経営者。

優しい言葉遣いと温厚な物腰はどこか安心感がある。

園田 静子

和男の妻。

友愛クラブの受付で事務などをしている。

湯沢 舞子

心音のクラスメイトであり、心音をいじめているグループのリーダー。

父親が銀行員の支店長、母親がPTA会長。本人も成績優秀で品行方正のため教師からも評判がよい。

菅谷 理恵

心音のクラスメイトであり、心音をいじめているグループの一員。

自分の年齢的価値をよく理解している。性格は非常に冷徹。

藤原 奈津美

心音のクラスメイトであり、心音をいじめているグループの一員。

他人に容姿を褒められ、男に好かれることがステータスと思ってるタイプ。

ジスさん的評価

音楽:★★★☆☆☆☆☆☆☆
難易度:★★★★☆☆☆☆☆☆
シナリオ:★★★★★★★★★★
おすすめ度:★★★★★★★☆☆☆

総評:95/100

猟奇哲学ゲー

猟奇的行為、スプラッタ、スカトロ、なんか色々はじけ飛んだり、なんでもあり。

故に耐性ない人は注意が必要(設定でオンオフの設定は可能)

おそらくCLOCK UP作品で一番有名作品であろう「euphoria」よりも表現はキツかった印象。

肝心のシナリオなんだけど、興味を持った人にプレイしてもらいたいのでネタバレしない程度に超簡単に説明すると、宗教の信仰者同士や教祖様とセックスしたりウンコ食ったり臓器むちゃくちゃにされたりバラバラにされて死んだあげく、他の入信者はその死んだ姿を見て拍手喝采。

「おめでとう」「早く私もこうなりたいわ」と笑顔で言っちゃう人が集まる超絶ヤバい宗教団体に、周りの人物がどんどん入信していくのを主人公があの手この手でどうにか脱退させようとする話。

ここだけ聞くとギャグゲーか?とか思いそうだが、一切そんな要素もなく冒頭で述べたようにゲームクリア後のいい意味でのモヤモヤ感、つまり今後の人生において“幸せとは”ということについて考えさせられるゲーム。

周りから見ても「おまえの行動は明らかに間違っている。そんなことして幸せになんかなれるはずがない。なぜそんな意味のないことをするんだ。」と思うようなことを続けている人って皆の身近にも結構いると思う。

ただ、それは周りがそう思っているだけで本人にとっては最高の幸福かもしれない。

基本的にキャッチコピー「救いなんて、ない。」のとおり、まぁ救いようがないんだけど、それは俺たちの思考であり、出てくるキャラたちは本当に幸せそうで。

そして死という基本的に俺たちがもっとも恐れていることにすら幸福を感じている。

自分の死を。そして他人の死を。死こそが最高の幸せであると感じている。


そういった意味ではこの作品の登場人物たちはキャッチコピーに反して、皆救われていると言ってもよい。

人間にとって死、とは。幸福、とは。っていうことについてめちゃくちゃ考えさせられる作品。

ゆえに冒頭でも書いた、自分の遺影を持った笑顔のキャラクターたちってのが重要となってくるんだけど、真相、そして大智たちの結末はぜひ実際にプレイして物語を読み込んでみてほしい。2週目からが本番。

表現もあいまって結構な問題作だとは思うんだけど、それ以上になかなか深いテーマをエロゲというジャンルで表現してて俺はかなり好きな作品なんだよね。

OPテーマはみんな大好き『仰げば尊し』

あと修正パッチあてないと会話がバグって開始数分で結構面白いことになるので、プレイ前に修正パッチはあてましょう。2019年にHDリマスター版出てるけど多分そっちではバグ解消されてるはず。HDリマスター版やってないから知らんけど。

終始鬱ゲー、エンディングに結構消化不良感があったりもするので例によってかなり人は選ぶが、気になった人はぜひプレイしてほしい作品です。

ジスさんとフラテルニテ

CLOCK UPの猟奇ゲーシリーズで、世間的には「euphoria」が有名ではあるんだけど、euphoriaに負けないほどの名作だと思ってる。

読み物としての面白さやシナリオはやっぱeuphoriaに軍配があがるんだけど、フラテルニテはゲームが終わったあとの考察や自分の人生について考えさせられる感がいいんだよなぁ。

CLOCK UP作品はフラテルニテ以外にMaggot baits、ジオグラマトン、Erewhon、euphoria、REQUIEMくらいしかやってないけどそのうち書くから待っといて。

フラテルニテ発売当時俺東京に住んでたんだけど、アキバのソフマップに一時間以上並んでエスカレイヤーリブートと一緒に買ったのもいい思い出。

あん時たしかめっちゃ注目エロゲ出てたんだよ他何出たか覚えてないけど。恋咲くとか星織ユメミライとかも同じ日だったかね。



やっぱエロゲに限らず、読み終わった後に心に響かせたり衝撃を受けたものって評価しちゃうんだよね。

終わりに

というわけでフラテルニテの紹介でござった。

興味出た人はHDリマスターが発売してるのでやってみてくだしあ。

ではまた次回

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